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スギ花粉の飛散がピークを迎え、花粉症の人にとっては憂うつな毎日。今年の花粉症はひどい、との声をあちこちで聞く。なぜだろうか。 環境省の委託を受けて花粉の飛散観測を行っているNPO法人「花粉情報協会」によると、例年飛散が目立ち始めるとされる3月の飛散量は今年、全国のほとんどの地域でほぼ例年並みだった。多い地域でも、最近では圧倒的に飛散量が多かった2005年と比べると、際立った飛散量ではないという。 だが、東京・有楽町で開業する耳鼻 花粉症と闘って約15年の東京都三鷹市の主婦(34)は「今年は、ティッシュの減り方がハンパじゃなかった。鼻をかみ過ぎて、中耳炎にまでなってしまった」。 重症患者が増えた謎を解くカギは、今年2月14日に全国各地で記録した季節外れの暖かさだ。静岡市清水区や神奈川県小田原市で最高気温が25度を超える夏日となったほか、全国100か所以上の観測地点で2月の最高気温の記録を更新。 西端医師は「2月といえば、本来なら3、4月に迎える飛散のピークに備えて、花粉症患者がようやく薬を飲み始めようかという時期」と話す。油断していた患者がほぼ無防備な状態で花粉を浴びてしまったため、症状が悪化したらしい。 黄砂の影響を感じる患者も少なくない。気象予報会社「ウェザーニューズ」が先月、花粉症患者に行ったアンケートでは、6割以上の人が「黄砂などでほこりっぽい時は症状が悪化する」と答えている。ただし、黄砂と花粉症の関連は医学的には未解明という。 一方、そもそもこの冬は暖かく、スギ花粉が冬のうちから飛散し、その影響を徐々に受けていたという見方も出ている。花粉情報協会の佐橋紀男事務局長は「花粉の飛散に季節は関係なくなってきた。冬でも暖かい日はマスクをして外出するなど花粉に備えた方がいい」とアドバイスする。 季節外れな気温の急上昇には気をつけよう。それが今年、花粉症患者が得た教訓だ。
脳卒中を発症する患者は、年間約33万人。死亡者は約13万人で、日本人の死因では、がん、心臓病に次いで多い。 読売新聞は、日本脳卒中学会の認定研修教育病院、日本脳神経外科学会の専門医訓練施設、日本脳神経血管内治療学会の認定研修施設の計707施設に対し、2008年1年間の治療実績についてアンケートし、466施設から回答があった(回答率66%)。 脳卒中には、血の小さな塊(血栓)が脳の血管に詰まる「脳 くも膜下出血の治療は、破裂した血管のこぶの根元を金属で挟んで再出血を防ぐ手術(クリッピング)や、脚の付け根の血管から脳まで細い管を通し、破裂したこぶに金属製のコイルを詰める脳血管内治療が行われる。 脳梗塞では、血を固まりにくくする薬物治療のほか、発症して間もない患者では、血栓を溶かして血液の流れを回復させる血栓溶解療法(t―PA治療)も行われている。t―PAは血栓を溶かす薬剤で、腕の静脈から点滴する。治療を受けた患者の4割程度で、3か月後にほぼ後遺症がなく回復するとされている。 ただしt―PAは、発症から時間がたった患者では、脳出血の危険性の方がかえって高まるため、使用は「発症から3時間以内」が条件だ。そのために病院では、脳梗塞が疑われる患者を受け入れ後、手早く検査・診断できる体制を整える必要がある。 一覧表には、各病院のt―PA治療実施数を示した。脳梗塞患者数に対する実施率は平均で4%。5%未満の施設は269施設、5〜10%が119施設、10%以上が27施設だった。一方、実施数がゼロの施設も46か所あり、医療機関によって差があった。 聖マリアンナ医大(川崎市)神経内科教授の長谷川泰弘さんは「救急隊との連携体制など地域全体の取り組みが問われる。治療の効果などを検証し、結果を公表する仕組みを早急に作る必要がある」としている。脳卒中では、顔・手足の片側のしびれ、ふらつき、うまく言葉が出ない、激しい頭痛や吐き気・
手足の関節が腫れて痛む関節リウマチは、病状が進行すると、関節が壊れて歩けなくなることもあるなど、患者の日常活動は大きく制約される。関節の破壊を抑えるとされる新薬「生物製剤」が今年4月、2種類承認された。 関節リウマチは、全身の関節に炎症が起きて痛み、進行すると関節が壊れて変形する。指が動かず食事にも苦労し、歩けなくなる人もいる。患者数は約70万人とみられる。 この病気は、炎症を起こしたり、骨を破壊する細胞を活性化させたりする物質、サイトカインが病状悪化の一因となる。その働きを防ぐよう、遺伝子組み換え技術を使って作ったのが「生物製剤」だ。従来使われていた抗リウマチ薬は、ある程度、炎症を抑えることはできたが、関節破壊を防ぐ効果は低かった。 今年4月承認されたのは、「アクテムラ(一般名トシリズマブ)」と「ヒュミラ(同アダリムマブ)」。このうちアクテムラは、大阪大元学長の岸本忠三さんらの研究グループと中外製薬が開発した国産薬だ。 小学校教諭の40歳代の女性は、1990年にリウマチと診断された。既存の抗リウマチ薬を飲んだものの、関節の変形が進んだ。手の指が曲がり、ぞうきんも絞れない。ひざや股(こ)関節が痛み、教壇に立つのがつらい。 96年、大阪大でアクテムラの効果を調べる臨床試験に参加、点滴治療を受けたところ、関節の痛みが減り、歩くのも楽になった。今も体調が良い。 他の生物製剤3薬は、サイトカインの中でも「TNF(腫瘍(しゅよう)壊死(えし)因子)―α」の働きを抑えるが、アクテムラは別のサイトカイン「IL(インターロイキン)―6」を標的とする。開発者の一人、大阪大免疫アレルギー内科客員教授の吉崎和幸さんは「薬の作用の仕方が違うので、ほかの薬が無効な場合にも効く可能性がある」と期待する。 東京医科歯科大膠原(こうげん)病・リウマチ内科教授の宮坂信之さんによると、これらの薬は、メトトレキサートなど既存の抗リウマチ薬が効かなくなった場合に使う。痛む関節数が半分以下に減るなどの効果が、治療開始後1年の時点で60〜70%ほどの患者に表れる。 ただ、薬が高価で、患者の医療費負担は大きい。4製剤は、保険の3割負担でも、年40万〜60万円ほどかかる。 副作用の問題もある。免疫を抑える薬なので、肺炎など感染症にかかりやすくなるのだ。 承認から3〜5年がたつレミケードとエンブレルによる肺炎の発病率は、投与者の1〜2%ほど。宮坂さんは「生物製剤の中では、効果も副作用も分かっているレミケードかエンブレルを最初に使うのが、現時点では一般的だと思う。今後、新薬の投与実績が蓄積されていけば、薬の選び方も変わってくるだろう」と言う。 肺炎の副作用は、高齢者や多量のステロイドの服用者などに起きやすい。宮坂さんは「リウマチ専門医とよく相談し、肺炎球菌ワクチンを打つなど予防策を取ってから治療してほしい」と話している。
横浜市の男性会社員Aさん(53)は、7年ほど前から、幼いころに患っていたぜんそくが悪化した。薬を使っても、せきが止まらない発作に度々襲われ、夜中に病院で点滴を受けたり、会社を休んだりした。今年3月に発売された新薬「オマリズマブ」(商品名・ゾレア)の注射を定期的に打ってもらうと、発作が減り、夜もぐっすり眠れるようになった。 ぜんそくは、空気の通り道である気道が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気。せきが止まらないなど重い発作が出ると、酸素不足や意識障害に陥り、最悪の場合は命を落としてしまう。国内の患者数は400〜450万人と推計される。 90年代、ぜんそくの原因は「気道の慢性的な炎症」と分かり、炎症を抑える吸入ステロイド薬が治療の中心になった。これに気管支拡張薬や抗アレルギー薬を併用し、治療効果は格段に向上。95年に7000人を超えていたぜんそく死亡者数は、2007年には約2500人にまで減った。 「残念なのは、複数の治療薬を最大限に使っても発作を抑えられない重症患者が、まだ少なからずいることです」と、昭和大呼吸器・アレルギー内科教授の足立満さんは語る。同大では1割以上が重症患者だ。 重症患者にはステロイドの飲み薬を併用するが、吸入薬と違って長く飲み続けると、糖尿病や白内障、骨粗しょう症などになりやすく、できれば避けたい。 オマリズマブは、こうした重症患者を対象に承認された。ぜんそくの引き金になるアレルギー反応を起こらなくする薬だ。 ダニやほこり、花粉などアレルギーの原因となる「抗原」が体内に入ると、身体を異物の侵入から守る血液中の免疫細胞のB細胞が、免疫グロブリンのG抗体(IgG抗体)を主に作り出し、対抗する。これは正常な免疫機構の働きだ。 ところが、一部の人では、「IgE」という別の抗体が作られ、鼻や気管など粘膜の下にあるマスト細胞(肥満細胞)にくっつく。この細胞はアレルギー反応を起こす本体で、再び抗原が接すると、ヒスタミンなどの化学伝達物質を放出し、気道の炎症などを引き起こす。これがぜんそくだ。 オマリズマブは、IgE抗体と結合することで、抗体がマスト細胞に結合するのを防ぐ。化学伝達物質の働きを抑える従来の抗アレルギー薬とは異なり、その前の段階で作用する。 対象は、血液検査などでIgE抗体が確認できるタイプの患者で、重症患者の約5割を占める。ただし小児には使えない。 2週か4週おきに皮下注射し、吸入ステロイドなど基本的な薬はこれまで通り使う。国内の臨床試験では、有効成分を含まない偽薬と比べ、ぜんそく症状が悪化する率が低く、気管支の状態も改善した。 Aさんの主治医で横浜市大呼吸器内科准教授の宮沢 ただ、費用が1本約7万円と高価で、健康保険の3割の自己負担でも、2週おきに3本ずつ使えば、負担は月に12万円を超える。国の高額療養費制度などを十分活用したい。
愛知県内の5歳の男児が2008年5月、火事で体表面の9割以上に重いやけどを負い、愛知医大病院(愛知県長久手町)に運ばれた。自分の皮膚組織を培養して増やした「自家培養表皮」を8月と10月の2回、胸や腹、腕、足などに移植。今年3月、無事退院した。 表皮より深い真皮まで損傷が達するやけどが小児の場合なら全体表面積の15%、成人なら30%以上になると「重症熱傷」とされる。外界から体を守る皮膚が失われると細菌感染し、敗血症を起こす危険を招く。死亡者は年間1000人以上と見られる。 聖マリアンナ医大(川崎市)形成外科教授の熊谷憲夫さんによると、治療では、患者自身の正常な皮膚をはがし、患部に植える皮膚移植が必要だ。ただ、広範囲のやけどだと、十分な皮膚を確保するのが難しい。 亡くなった人から提供された皮膚を冷凍保存しておくスキンバンクがあり、解凍して移植する治療もある。他人の皮膚なので、いずれはがれてしまうため、自分の皮膚が再生するまでのとりあえずの治療だ。 こうした問題を解消するために、患者自身の皮膚を培養して増やす再生医療が研究レベルで行われてきた。そして今年1月、愛知県のバイオベンチャー企業「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J―TEC)」が開発した培養表皮が、重症のやけどに対して保険適用された。 病院から連絡を受けると、同社の社員が駆けつけ、患者から切り取られた切手大ほどの皮膚を持ち帰り培養する。約3週間で1000倍以上の面積に増える。それを縦10センチ、横8センチのシート状に加工して、移植に使う。 自分の細胞を使った培養表皮は、はがれることなく、自分の皮膚と一体化する。培養にかかる3週の間、スキンバンクから提供を受けた皮膚などで患部を覆い細菌感染を防ぐ。 1枚のシートは30万6000円と高価だが、高額療養費制度の対象になり、患者の負担は、所得によって異なるが、月額8万円強で済む。熊谷さんは「培養にかかる時間が短縮できれば、もっと多くの人の命を救える」と話している。 培養表皮を保険で使える病院は、熱傷担当の専任医師が常時1人以上いるなどの基準を満たす必要がある。
虫歯や歯周病などの病気や歯に詰めた金属物のアレルギーなど口の中の異常と、全身の病気との関係が注目されている。 藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)皮膚科では2003年から、歯科医院と連携した治療を試験的に進めている。初診の際に、虫歯や歯周病など口やのどの病気の有無を尋ね、金属アレルギーがあるかどうか皮膚にパッチをはって調べる検査や、血液検査を実施する。 問診や検査の結果から、口の病気との関連が疑われる場合、連携先の歯科医院を患者に紹介。皮膚病の治療と並行して、歯科治療を受けてもらう。保険診療で一般的に使われるパラジウムなどで、金属アレルギーが見つかった場合には、義歯や歯の詰め物を、アレルギー反応を起こさない種類の金属や非金属の材料に替える。 名古屋市の主婦(68)は足の裏が赤く腫れて、歩くたびに鈍い痛みに襲われ、手足の皮膚に膿のような湿疹が生じ皮がむける「掌蹠膿疱症」と診断された。 掌蹠膿疱症は30〜40歳代に多い。ステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬や紫外線照射が一般的な治療法だが、治りにくい。そこで同大皮膚科の治療と並行して、紹介された歯科医院で虫歯や歯周病の治療をしたところ、2か月後に腫れは治まった。 同大皮膚科との連携治療を行っている「おしむら歯科」(同市)院長の押村進さんは「治療は、歯周病や虫歯、根の治療など、歯科治療で一般的に行われているものです。金属アレルギーであれば、義歯や詰め物を、アレルギーを引き起こさない素材のものに取り換える」と話す。 発症に扁桃炎が関与することは知られているが、虫歯や歯周病を治療すると、どうして皮膚病が改善するのか詳しい仕組みは分かっていない。歯に詰めた金属へのアレルギーや口内の炎症、口の中の細菌の作るたんぱく質が、皮膚病を誘発しているのではないか、との見方がある。 新潟大病院皮膚科で、95年11月から99年6月までの約3年半に診察した掌蹠膿疱症の患者について調べたところ、虫歯や歯周病のある31人のうち、歯科治療を受けた後に4人が治り、16人で症状の改善が見られた。 藤田保健衛生大皮膚科教授の松永佳世子さんによると、「口の中の病気が全身に及ぼす影響は、じんましんやアトピー性皮膚炎など皮膚病の分野でも注目されている。歯科との連携をさらに強め、長期的な治療成績を積み重ねて、治療法の確立を目指したい」と話している。
花王は16日、特定保健用食品「エコナ」シリーズ全商品について、17日に出荷を停止し、販売を自粛すると発表した。対象は、食用油やマヨネーズ、ドレッシングオイルなどシリーズ46商品と、同商品を使ったドッグフード13商品を合わせた計59商品。
睡眠不足がアルツハイマー病を引き起こす可能性があるとの研究結果を、米ワシントン大などの研究チームが24日の米科学誌サイエンス電子版に発表した。 |
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