不眠症をカイロプラクティックと栄養学で考える
●国民病?!
調査によれば、成人の23%の人が「睡眠による休養が十分にとれていない」という答えでその中の約14%が睡眠薬、精神安定剤、アルコールなどを使用するという、データが出でいます。
1日の中の8時間を睡眠にあてたとすれば、人生の1/3は眠っている事になる為、良い睡眠は人生を左右するという程、重要になってきます。
●脳は眠っていない?!
睡眠中は眠っている事もあり、脳自体も眠っているように思われますが、脳の大脳といわれる部分だけが眠っているのです。
脳の下部にある、脳幹といわれる場所は、呼吸をしたり体温や心臓の働きをコントロールする、大切な場所なので、一時も眠っていません。
では何故、大脳は眠るのかというと、思考、創造、判断、言語などのすべての知的活動、運動、感覚などを司っているために、大量のエネルギーを消費する為に、眠る事で休息をあたえます。
また、消費される脳の興奮性伝達物質の補充をおこなっています。
●良い眠りを得るには
良い睡眠をする事は、生活面で非常に大切になってくるため、気をつけたい事を少しまとめたいと思います。
■お風呂は、ぬるめのお湯に入りリラックスする。 |
●体力的疲労
私の友人も不眠で悩んでおり、睡眠薬を常用しており心配していたため、たくさん歩き疲れさせる為に、買い物と言う口実で街に誘い出し、半日一緒に歩き回りました。
そして、その日は睡眠薬を飲まないでくれと、言い別れました。
すると、睡眠薬なしでは寝付けなかった友人も、「自然と眠気に誘われ、眠れた」と喜んでいました。
ここで、とても大切になってくるのが、体力的疲れです。
現代人は、交通、家電、パソコンなどの発達により、体力的な疲労よりも、頭脳的疲労・精神的疲労などの疲れに変わっています。
こうなると、脳ばかりが疲れ、身体はまだ大丈夫というアンバランスを生じさせます。
その為、寝つきが悪いなどの、睡眠障害に悩まされます。
このパターンで改善される方はかなり多いと感じますので、是非、寝つきが悪くて困っている方は、この様に一度生活面を見直してみるのもよいですね。
●部屋は暗く
部屋がずっと明るい状態だと、脳の中の松果体と呼ばれる場所を刺激し、眠りに必要な松果体から放出される、睡眠物質のメラトニンという物質を分解してしまうので、眠る前から部屋の灯りは、薄暗い状態にしておくのがよいでしょう。
薄暗い部屋でテレビなどを見ると、視力が悪くなるなどと、言われていましたが、根拠のない事のようですので心配なく暗くしてください。
●キーワードはメラトニン
人を眠りに誘う物質は、メラトニンという脳の中にある松果体から放出されるホルモンです。
このメラトニンは、夜だけ放出され、体温を下げ、眠りにつきやすくする働きがあります。
その為、睡眠障害で悩まされている方、一度メラトニンをサプリメントで摂取するのもよいかと思います。
●メラトニン摂取量
メラトニン0.1〜3mgを就寝30分〜45分前に摂る。
カイロプラクティックでみる、不眠への有効性
上記にある様な事をしても、不眠が改善されないという場合は、神経の調節が有効かと思われます。
●交感神経と副交感神経
人間は神経の伝達、電気信号にて動いたり、喋ったり、思考、判断など高度な事をしていますが、神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、バランスを取りながら働いています。
●交感神経
交感神経とは、簡単に言えば昼間働く神経です。
昼間は、忙しい生活のため、瞳孔は拡大し、心臓の拍動は速くなり、血管は収縮して血圧を上げ、身体を動かせれる状態にしている神経です。
戦う神経であり、身体は緊張状態を保ちます。
●副交感神経
副交感神経とは、簡単に言えば夜働く神経です。
昼間に疲れた身体や脳を休ませる為に、瞳孔は収縮し、脈拍はゆっくりとなり、血圧は下降して身体をリラックスさせ、眠りに導く神経になります。
休ます神経の為、身体はリラックス状態を保ちます。
●2つのバランスが大切
この2つの神経のバランスが大切になってくるのがわかると思われます。
夜間に交感神経が優位な状態では、なかなか眠りにつけないのがわかりますね。
不眠などの場合は、このバランスが崩れ、起こしている事が多いです。
ですので、このバランスを整える事が、不眠改善に大切になってきますね。
●バランスを調整する
簡単にまとめますと、交感神経は背中・副交感神経は頭とお尻の周辺にあり、その悪い部位を調節する事により、2つの神経のバランスを整え、正常に働くようにしていきます。
調整により身体の余分な力を抜き、寝つきの良い状態に持って行きます。